R6年12月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 寸評:推敲:選者=片桐基城先生

☆皆様から頂戴した作品を拝読して、今月も上位の完成句三句を決めるのに

 骨を折りました。どの句と優劣を付け難く迷いを感じました。

 そこで、句が持っているその深みから考えてみました。

 このように、句の完成度合いが月毎に上向いている事を嬉しく思っています。

 俳句に懸命に取り組んでいる皆さんの気合を感じています。次月の句を楽しみにしています。

 

 ☆優秀句を一席~三席との表記を「天・地・人」としました。

  他の表記は「◎」次点、「〇」次々点。

 【毎月の投稿〆切日=10日】

 

☆俳句の部 

〔大和佳子:松原教区

天:「秋茄子の煮浸しつまみ一人酒」

寸評:秋茄子の煮浸しは、冷たくても温かくても蕩けるように美味しく味わえるので

    お当てのおかずにも、お酒のおつまみにもいただけると言われています。

    お酒も美味しそう。  蕩ける(とろける)

 

〔渡邉孝之:江曽島教区二部

地:「叩きごま毛羽立つ紐に夕陽堕ち」 

 ・寸評:必死に独楽を回していて、古きなった紐に夕日が朱く動いて見えたのですね。

    独楽そのものを詠わず、独楽回しに必須な紐の毛羽立ちを詠ってるその発見に

    優れた句です。

 

〔青木幸子:事務局

人:「すす払い妣の手鏡あえかなり」

寸評:新しい年のための風習の際、思い掛けなく妣親の手鏡を目に、手を取って

    眺めて居る内に、余りにもその儚げな様子に心を痛めている、作者の念が

    伝わってきます。 ※あえかなり=(容姿や気持ちなどが弱々しいさま)

 

〔金子敏枝:江曽島教区二部

◎「朝日さす田の霜柱輝けり」

寸評:明けて間もなく朝日に耀らされた田に、勇み立つ霜柱の輝きに眼を覆われて

    眩しそうに見ている作者が見えてきます。霜柱を主に構成を変えるともっと

    良い句になります。

 

〔金子龍夫:江曽島教区二部〕

「初霜や児童の顔がリンゴ色」

寸評:冬になると、公園などでよく見掛けますが、顔を真っ赤に染めた小さな子供が

    友達と遊んでいるのを詠われたのですね。林檎色と具象した素直さが効いた句です。         

 

 〔角田和道:今光教区一部

 「学び舎のけやき並木に枯れ葉舞う」

 寸評:欅は個体により赤・黄・橙と紅葉があり並木の紅葉は絢爛です。そうした紅葉も

    終り、枯れ葉が閑に時に荒々しく舞う校庭の、校舎の冬らしい佇まいが静謐に窺える句です。

〔林  弘:壬生教区二部

「孫の手に思い重ねる初紅葉」

寸評:楓紅葉かな?。紅葉の葉を見てお孫さんの小さく可愛い手に重ねて感嘆したのでしょうか。

    中七を「・・・手をおもわすような」としたらすっきりしますが如何でしょう。

    

〔角田則子:今光教区一部

・「秋の夕二つの影がゆっくりと」

寸評:中七意味深ですね。下の五文字「ゆっくり」から、この二つの影はお友達を超えて恋人同士

    でもありご夫婦でもあろうかと想像が膨らみます。上「秋夕焼け」としては。

 

清澤 修:壬生教区一部

・「芋の葉に朝日を浴びる露の玉」

 

☆川柳の部

清澤 修:壬生教区一部

 

・「空爆で下の句五字が欠け失せる」

 

 

☆短歌の部 

 

〔石川けい子:城東教区二部〕

・「葉っぱがねはずかしがっていたんだよ秋がかくれて見つめていたの」

・寸評:そろそろ秋になろうとする頃、草の葉の心を草の身になっての独り言を素敵に景観。

 

〔福田時子:江曽教区二部〕

・「ご有志させて頂く喜びに少し背伸びも無理は謗法」

・寸評:私達の法華経の信念を我が身にかけて納得のこころを云い得ていると思います。

 

 ☆人生訓&人生標語

〔清澤久子:壬生教区一部〕

 ・「いろんな出来事有ってもねそれも貴方の通る道逃げずに避けずに

   上手く心に受け入れて歩いて行けば大丈夫」

 

〔安保 孝:江曽島教区二部〕

 ・「おはようございます。こんばんは。いただきます。にごちそうさま。

   挨拶は色々有れど一番は何といっても『ありがとうございます』。」

  

※編集後記:細心の注意を払って誤植、脱字、書き違いが無いように編集して居りますが

      もしそのような事が有りましたらお許しください。又、文芸編集部までお知らせ下さい。

       

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