R6年9月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 寸評:推敲:選者=片桐基城先生

☆今月も出句が早く皆様の俳句に対する熱意に敬服するばかりです。

 一人一句の鑑賞をしました。繰り返すようですが、助詞の遣い方に

 注意しましょう。また、主体を明確に置き、何を先にそして後にすべきか

 の工夫で、ひとつの言葉に隠れた心が読者に訴えられることを弁えて作句に

 当たりましょう。先月まで優秀句を一席~三席との表記を今月より「天・地・人」

 としました。他の表記は「◎」次席、「〇」次次席。

 【毎月の投稿〆切日=10日】

 

☆俳句の部

〔金子敏枝:江曽島教区二部

天:「夕暮れに庭に遊びし秋茜」

寸評:夕刻の大きな景を、庭と云うちいさな焦点に捉えた素敵な句です。

    上五は「暮れ泥む」(くれなずむ)と、また中七「遊びし」と、過去形にせず

    「遊べる」と連体形にしましょう。

 

〔渡邉孝之:江曽島教区二部

地:「いかずちや祖師を守りぬ龍ノ口」 

 ・寸評:風ひとつから変わる滝壺が持つ神秘さを、鳴る神との散り合わせをもって、

    一宗一派の開祖を守っていると捉えた触発がよく、二物を衝撃した二句一章

    詠法の成功句です。

 

〔清澤 修:壬生教区一部

人:「公園の静寂を破る蝉時雨」

寸評:閑な場に蝉が鳴き始めたのですね。夏の風物詩をそれとなく詠った

     佳句です。普段は賑やかな公園もいいですが、場は特に言わず、「それまでの」

    とか静寂を強調したいです。

 

林  弘:壬生教区二部

◎「夏山は白い群花にそよぐ風」

寸評:「群花」の表現を、もっと柔らかくしたいですね。白色の花の群れが風に乗る様子

    「白い花の群れ」と具象して。

・添削:「夏山の群れなす花に白い風」

 

〔青木幸子:事務局〕

「朝凪や始まりの時風光る」

寸評:上五「や」で切っていますから、日射しが強くなり始めた時を言っているのでしょう。

    風が凪ぎたとして。

・添削:「朝凪て柔和な朝の風光る」で、拡がる海が見えてきます。

 

〔大和佳子:松原教区

 「風鈴の音に誘われウトウトと」

 寸評:風に載る、鈴による長閑さは見えますから音は省きましょう。倒置詠法はそのままにして、

    オノマトペ語の前に副詞を加えて強調します。

・添削:「風鈴に誘われてついウトウトと」

     

〔金子龍夫:江曽島教区二部

「古里へ禊萩添えし墓前かな」

寸評:この禊萩は、千屈菜・鼠尾草・溝萩が転じた語で、全て「みそはぎ」と読みます。

    助詞「てにをは」をよく考え構成をがらっと変えて。

・添削:溝萩を故郷の墓前に供えけり(故郷=くに)

 

〔金子敏枝:江曽島教区二部

・「ちょっきりが椚の枝葉をおとしけり」

 

 

〔渡邉孝之:江曽島教区二部

「鋤鍬を納屋に立てかけ秋の声」

 

 

〔清澤 修:壬生教区一部

・「退院後喉がなるなり一夜酒」

 

〔林  弘:壬生教区二部

・「油照り木陰をたどり頂へ」

 

〔金子龍夫:江曽島教区二部

・桧原の山百合香り今もなお

 

☆短歌の部

〔石川けい子:城東教区

・「もう一度食べたい母のあのおはぎ子供も孫ももちろん私も」

・寸評:この副詞「もう」は、昨日食べたけれどと、もう食べる事の叶わない、と云うご家族の希望や

    意味とに窺える深さがあります。「・・・もち私も子供も孫も」では如何?。

添削:もう一度食べたい母のあのおはぎもち私も子供も孫も

 

〔福田時子:江曽島教区二部〕

・「知恵しぼりかしまし娘あれこれと素材顔負け作る御供養」

・寸評:普段煩い娘さんが、あれこれ知恵を絞った結果、この素材では無理な供養食にしたと云う喜びですね。

・添削:「かしましき娘はあれこれと知恵しぼり素材を負かすご供養だす」

 

〔石岡ノブ:高根沢教区〕

・「幾億の悲哀重ねしガザの子の涙の海に祈りを込める」

・寸評:イスラエル軍からの悲劇を被っている軍事的要地ガザの子が受けた海に、ひたむきに訴えている涕の

    祈りが目の前に映ってきます。上五数字でなく「数え切れぬ・・・」では。

 

 ☆人生訓&人生標語

〔清澤久子 :壬生教区一部〕

 

 ・「貴方だから出来る事、貴方にしか出来ない事、これって凄いことだよね!

   だから大いに自身持って下さいね。」

 

〔安保 孝:江曽島教区二部〕

 ・「鳴かぬならメルカリ行きだぞホトトギス

 

 ・「親の心子知らずというけれど井の中の蛙大海を知らずで毎日号泣」

 

 

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