R6年1月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 寸評:推敲=片桐基城先生

☆皆様、2月号への投句が早かったですね。

 俳句をしょうと云う意気込みを感じます。嬉しい気持ちでいっぱいです。

 では、感じたままを推敲寸評しましたのでご参考にして下さい。

 

☆俳句の部

〔角田和道:今光教区1部〕

◎「小さな手を父母に握られ寒詣り」

●寸評:ご両親はお子さんの左右にいらっしゃるのですね。

   お子さんが慕うご両親と、お子さんの小さな手が

   見えるようです。形容詞「小さい」の連体形で「小さき」にして。

★添削:「小さき子を父母にとれれて寒詣で」

 

〔青木幸子:事務局職員〕

◎「冴ゆる夜や湯気よみがえる妣の出汁」 ※妣=はは、又はひと読む この句は、「はは」読み。
●寸評:料理中の立ち込める湯気から、亡き母親の出汁の香りが味が、蘇って身に染み入った

   のですね。構成を替えてその触発を活かしてみます。妣は「ひ」とも読みます。

★添削:「冴ゆる夜を妣のかおりの出汁の湯気」 この句は「はは」と読む。

    「冴ゆる夜を妣の香りする出汁の湯気」 この句は「ひ」と読む。

 

大和佳子:松原教区〕

◎「男体山うっすら白く雪化粧」

●寸評:栃木県を誇る男体山が薄化粧をしている薄化粧に触発されたのですね。

   「白く」は不要です。「うっすら」も省略「薄化粧」でいいですね。

★添削:「薄化粧して聳えたつ男体山」

    「陽に映え映えと男体山の薄化粧」 *句跨り句に成りますが。

◎「初雪に胸踊らせる小学生」

●寸評:初めて降る雪を目にすると、大人も子供も嬉しい驚きをしますね。

   中七文字がその心を訴えた健康的な句です。現句で結構ですが、中七

   終止形にしてみませんか。

★添削:「初雪にこころの躍る小学生」

 

〔清澤 修:壬生教区二部〕

◎「冬の朝遠つに光富士の山」

●寸評:この「遠つ」の「つ」は「の」の格助詞で「遠くの方の」の意ですが、

   「遠く」でいいでしょう。ここは景だけに終わらず、敢えて副詞を使って

   見ませんか。キラ

★添削:「煌煌と冬日を浴びる富士の山」

    「煌煌と冬日を浴びている富士山」

◎「散歩道昔話しで椅子欲しい」

●寸評:散歩しながらこんな事が良くありますよね。椅子が欲しい気持ちもよく

   解りますが、主題の「休み石」を一層強調してみました。

★添削:「散歩での話が弾む休み石」

 

 

〔澤村まつ子:高根沢教区〕

◎「初日の出朝日に向かって無事祈る」

●寸評:出掛けても家に居ても、祈る思いは誰しも同じですね。初日と朝日は省略

   出来ますし「向かって」も自然な共通した動作ですので不要な言葉です。

   俳句は省略です。

★添削:「安泰をひたすら祈る初日かな」

    「目瞑りて初日に祈る無事安泰」 *目瞑りて=「め、つぶりて」

◎「寒空に買い物伸ばすすくむ足」

●寸評:寒い中の買い物の気持ちですね。「伸ばす」「すくむ」と動詞が続くのは

   理解に苦しみます。句の構成を変えて見ましょう。

★添削:「買い物を足せば寒九の脚すくむ」

 

〔渡邉孝之:江曽島教区二部〕

◎「寒明けや朝もや突きて去ぬ烏」

●寸評:「や」切りをやめて下五に「寒の明け」とすれば、去り行く烏が協調できますが

    このまま語句を考えて見ます。目にしたのはカラスでしょうが、俳句は創作と

    いいますので鳥「とり」にし、「去るように帰る」「去ぬ」も窮屈なので

    「往ぬる」(帰る)にしたら。

★添削:「寒明けや靄を破りて往ぬる鳥」

◎「凍土や靴底痛し風痛し」

●寸評:動詞に二つの、リフレイン詠法をもって十二文字を巧みに詠っていますね。「凍土や」

   とせず「靴底」とまで言わず、動詞をもうひとつ加えて強調してみますと。

★添削:「凍土を踏む靴痛し風痛し」 ★「風痛し」が凄い

 

☆短歌の部

〔福田時子:江曽島教区二部〕

◎「見た目若実年齢に待った無しワッペン貼って安全運転」

●寸評:上五「字余り」になりますが、上五文字が次に続く言葉に対しちょっと硬く感じますので

   「見た目よりも」では?。「待った無し」も、無いの連用形「無く」を使用したら如何でしょうか。

★添削:「見た目よりも実年齢に待った無くワッペン貼って安全運転」

 

☆川柳の部

〔安保 孝:江曽島教区二部〕

 ◎「寂光で再開しても知らん顔」

●寸評:上五、最高のものを云う「寂光土」の「常寂光土」の略ですが、謂わば仏の悟りですね。

   そうした威厳ある地で再開しても素知らぬ顔の偉そうな人の事ですね。

★添削:「また会えども知らぬ振りさる寂光土

◎「夕看経拍子木カンカン子守歌」

●寸評:リズミカルな、拍子木の音に乗ったお看経を、子守歌への発見は見事です。子供に対する

   思いやりが見えます。名詞+名詞は入れ替えられたり無動詞が残念です。

◎「そら探せメガネは頭の上にある」

●寸評:よくある光景で、気が付くと自分を笑ったりするものですね。そうした面白可笑しい仕草を

   第三者の立場からでは無く、主観に捉え自身に嘲笑する風にして。

★添削:「頭の上の眼鏡を探す無骨者

     

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