R5年11月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

☆基城先生11月総評

◎皆さん日頃の精進が実り、今月の句も又綺麗で纏まった句ばかりでした。

 こうして、お話していて嬉しく驚愕しています。次は、俳句の宿命である短い言葉を如何に使いこなしてい

 くかですね。有難う御座いました。

 

☆俳句

〔青木幸子:(事務局職員)〕

「荒野にて乳白色のくだりつき」

●寸評:辺り一面に荒果てた野にて、次第にかけていく月を眼にしたのですね。而も、その月は乳白色に耀り

    輝いている・・・とは素敵な光景に出会いました。説明の「にて」も気になりますが、動きがほしい

    ですね。季語も漢字の方が。

☆添削:「降り月乳白色に野を輝らす」

 

〔大和佳子:(松原教区)〕

「軒下に干し柿吊るし甘くなれ」・注:(甘く)=「うまく」と読む。

●寸評:軒の下に吊るされた、小さな簾(すだれ)のような吊るし柿は秋ならではの光景ですね。

    早く美味しくなってくださいと云った願望を詠った句ですが、その願いは言わずとも解る事なので

    吊るすまでを詠ったら如何でしょう。

☆添削:「軒下に手間暇かけて吊るし柿」

 

〔 澤村まつ子:(矢板教区)〕

「天高くコスモスダンスいちにいさん」

寸評:風のまま身を任せて揺れる秋桜は、そうあるべく神に授かった宿命でもありましょうか。

   恰も(あたか)、体操しているように捉えているところが俳句で大切な滑稽です。唯、掲句の季重なり

   を消し、「コスモス」は漢字で。

☆添削:「秋桜のいちにいさんと踊っている」

「御拍子木緊張走る二人講」

●寸評:2人して緊張しながら御講をたてているのですね。拍子木の音からも硬く高く緊張の調べを感じて来ま 

    す。敢えて「緊張」は言わず、季語を入れて気持ちを表しましょう。

☆添削:「秋深き御堂にはしるお拍子木」

 

〔福田時子:(江曽島教区2部)〕

「曼珠沙華かぜに揺られてフラダンス」

寸評:お彼岸が近づくと、径沿いに並んで咲いている曼珠沙華を見かげますが、花の重みに耐えるべく授かっ

   た茎が揺れている・・・とは、可なり強い風がやってきたのですね。この句で大切な「かぜ」は漢字

   で表記したいです。

☆添削:「風に負けてフラダンスする曼珠沙華沙華」

 

〔渡辺孝之:(江曽島教区2部)〕

「日ノ本に生まれて嬉し豊の秋」

●寸評:風水害とて無く五穀豊穣五穀の豊年を優しく言い換えた季語をもって、日本に生まれてよかったなぁ

    と己に言い聞かせているのですね。言葉に無駄が無く言い表し方も柔らかい佳い句です。敢えて

    言えば「生まれ」は「生れて」(あれて)として語を節約し、「・・・嬉しや」と感動したら強く

    良く成ります。

☆添削:「日ノ本に生れて嬉し豊の秋」

「親友とサァー一献と温め酒」

●寸評:個人の主張でありますが片仮名書きを嫌う俳人がいますが、それは兎も角、本来俳句は縦書きですの

    で、掲句を縦書きにすれば煩わしい中七表記が消えますが、横書きですと頂けませんね。接続助詞

    「と」「と」を消して。

☆添削:「親友と先ず一献と温め酒」

 

☆ことば集

〔岡田三枝子:(城東教区3部)〕

「生きる事は自分が使える時間である」

「一度切の人生ゆえ誰れもが良い人と出会って欲しいです」

「人の縁は何があっても繋がる人は繋がる」

   

 

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