R4年11月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

 ◎片桐基城先生、お忙しい中、寸評考察を得まして有難う御座いました。

 

※俳句:2句詠みて 青木幸子(事務局事務員)

 

◎【風そよぎカートと並走秋あかね】

●この俳句から思うに先ずゴルフ場を想像します。或いは、カートが必要になったご家族を乗せての帰途であろうかと思います。

 作者が言わんとしている事が一読で明快に解る句です。そして、「俳句は1句1動詞」と言われていますが、その俳句の基本を

 確りと弁えていますね。基本を頭に入れての姿勢を嬉しく感じました。そして更に、季語がこの俳句にピタッと輝いて見えます。

 暗い赤色の、然も秋の侘しさを思わせる茜空を背景に、風がカートを牽引する静かな音を吸引しての、視覚と聴覚を一つの動詞が

 締めて訴えてくれています。秀逸句の鑑賞で長く成りました。が、敢えて言えば、中七の八文字は禁ですので「・・・並び」と

 したいですね、とすると、構成をすっかり変える事になりますので、作者自身の推敲にお任せ致します。

 

◎【薄月や黄泉の国へと父たちぬ】

●ご尊父様がお亡くなりになられたとか、さぞかしお寂しい事と御察し致します。さて、この「薄月」は「俳句季語辞典」には掲載

 されているとお聴きしていますが、誰しも広く一般的に使用している角川の「合本俳句歳時記」には掲載されていない季語です。

 また「季寄せ」にも掲載されていない季語で、その季語の使用はちょっと・・・考慮すべきではないかと私は思います。

 この季語を変えれば完成句です。が、父親の背を見ている作者の思いを入れたいですね。

※【弦月や黄泉路へと経つ父の背ナ】

 

俳句:3句読みて 渡辺孝之(江曽島教区2部)

 

◎【お会式や響く太鼓の六拍子】

●お会式は、日蓮上人の御命講としての法事です。その供養の座に参列している方々が揚げるお経に併せる様に、拍子に乗った太鼓

 の音がどよめいているのですね。句は、このままで完成されていて直すところはありません。良く詠われていると思います。

 

◎【炬燵猫孫の仕草を眼で追いて】

●冬の猫と言えば炬燵の守り神ですね。掲句は、炬燵にあってまだ眠っていない猫が、お孫さんの仕草を、さも見守るように見て

 いると云う素晴らしい発見による句と思います。惜しいのは、最後の下五句を「・・・」いる、と説明に終わらない方がいいと

 思います。

 

※【炬燵猫孫の仕草を眼で追い

 

◎【初時雨伝い滴る檜皮葺】

掲句の情景は手に手を取るようにわかる句です。先月お話したと思いますが、上五句と下五句が名詞ですので、上下入れ替えても

 意味の通じる、「山本山」と云われる詠い方になっています。また、漢字が多く硬い趣きが出て損をしていると思います。

 そこで、「檜皮葺」を止めて似せたものにしたり、余計な語を除き7構成も変えて以下のようにしてみました。如何でしょうか。

 

※【藁葺きの屋根を下たる初時雨】

 

※俳句:無季1句詠みて  福田時子(江曽島教区2部)

 

◎【和やかに二世代交えて女子の会】

●掲句は、季語が無いので下五を「忘年会」とすれば結構な忘年会の景になりますね。「忘年会」にはまだ早いけれども、俳句で

 季語の先取りは可とされていますので、俳句は掲句のように集まって方々の嬉しい笑い声が聞こえてくるようで、言葉を省略して

 詠うものですし、短歌も暗唱してみるとなかなか良いと思いますが、是非、俳句して見て下さい。先ず短歌を詠いそこから無駄で

 無いけれども、想像させられる語を省略したりしてみたら如何でしょう・・・俳句が完成しますよね。

※短歌

◎【食卓に手料理並べ孤食する静寂も又楽しからずや】

 

●短歌を云々するのは、ちょっと難しいのですが思い付くままに管見させて頂きます。「管見」とは、文字通り管の中から見ると

 云う狭い視野を言っています。先ずはご免時ください。掲げた歌は一読、ひとり目の前に並ぶ手料理を突く、それもまた結構な

 ことですね・・・と解釈されます。普段、口に出せない思わない事を最後の感嘆詞「や」で作者も読者も納得の歌ですね。

 特に「孤食の静寂」がいいですね。「静寂」を「しじま」と読ませるようならもっといいですね。魅力を感じさせてくれていま

 す。私なりに考えてみますと、※【食卓ならぶ料理を孤食する静寂こそ又楽しからずや】 如何でしょうか。

 作者の意と違いますか?。「手料理」でないけれど・・・。

 

※ことば集 岡田三枝子(城東教区3部)

 

◎【欲しい物でなく必要な物を買う】

◎【豊かな心で豊かな感性で人間でありたい】

 

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