R4年9月の俳句:短歌:川柳 投稿壇
※ 俳句:青木幸子(事務局)
◎雲の峰駆け上るよう友は逝き
●片桐基城先生寸評:折しも、むくむくと沸く入道雲の季節のこと、親愛なる友人が、滑り込むように
黄泉の国に旅立たれたと云うのですね。この句が素晴らしかった点は
(1)=込みあがる哀しみを季語が云い得ていると思います。
(2)=「友は逝き」を「逝く」と終止形にしない所です(終止形は、余韻が無く報告になります)。
●中七「よう」は「ようだ」「ように」の「よに」で比喩になります。「よう」と詠った俳人もいますが。
私なら、「よに」「かに」と詠いたいです。
◎白昼に降り注ぐ声風は死す
●ピタリと風が止み息苦しさを感じた時に、甲高き声が降り注ぐように聴こえてきたと云うのですね。
その発見が良く季語との取り合わせも佳い素敵な句です。
●掲句、「風は死す」は厳密に言うと季語とは言えません。「風死す」で季語です。
「山は笑う」は季語で無く「山笑う」で季語です。(「山は眠る」も同じです)
●次に、この場合は中七「・・・声に」とか助詞がないと窮屈に感じます。
そこで、あれこれ弄るよりも思い切って句の構成を変えて見ましょう。暑い最中、風がピタリと止む
息苦しい程の暑さとなる季語そのままに、助詞は使わなくても、「甲高きこえ降り注ぎ風死せり」or
「降り注ぐ劈き声や風死せり」とかに。
※俳句:渡邉孝之(江曽島2教区)
◎迎え盆先祖の御霊此処かしこ
●毎年、お盆が来ると迎え火を焚き終わる時には送り火を焚く風習がありますが、それは古来からの慣わしの
ひとつです。折しも、その迎え盆にあっての爽やかで快い俳句です。
●先ず、大切なことは、「盆」と云う季語はあっても、「迎え盆」「送り盆」等の季語はありません。
●気になるのは上五から中七に掛けて漢字表記が多く、折角の心に堅苦しさを感じます。
此処は、「考妣の霊を迎える盂蘭盆会」と思い切って絞れば、背景に先祖が想像されすっきりすると
思いますが。
◎秋の宵汽笛残すや終電車
●夜汽車の汽笛は、旅の始まりであり終わりでもあり、しみじみとした思いが沸きます。
句の材料として、つまり、「触発」に長けた句です。唯。漢字表記が多く堅苦しさを感じます。
●「宵」はまだ夜になり切らない時間で「秋の夜」なら解ります。でも「終電車」だから「夜」は
変ですね。また、中七を「や」で切る詠い方は、上級者でも難しいと云われています。
挑戦することは是ですが、此処は上で切って見ましょう。「深秋や汽笛を残す終電車」で完成では?。
◎新涼やビルの谷間に影伸びて
●秋は透き通るような気持ちになりますね。掲句座五の「影」は、言わずとも、高層ビルを云っている事
が解ります。これを、言葉を省略すると云います。都会に立ち並ぶ、ビルとビルの合間の影を見ている
だけで、「秋だなぁ」と実感するものです。
(1)=上五「や」で切った詠い方が巧みです。
(2) =此れを「二句一章」の詠法と云います。「涼しさ」と「影」を衝撃し合っている詠い方で重要な
詠い方のひとつです。序に、秋になると、影が長くなるのは時間の関係で無く、地球は太陽の周り
を回っていますが、秋から冬にかけてその地軸が低いので、影が長くなるのです。
●中七「・・・谷間の影伸びる」or「谷間に延びる影」としたら更に良い句になります。
※岡田三枝子(城東教区3部)
(三枝子のことば集より)
◎人間はの―あたりまえの事のありがたさに気がつかない人が多い。
◎人生はチャレンジ最終地点はどう生きたか、それが大切な事である。
◎努力する人には志がある。
※9月号も片桐基城先生には貴重なる寸評を頂戴し有難う御座いました。
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新着情報
〇YouTube公開
「いっしょにお看経してみませんか?」
本堂で一緒にお看経しているような気分になれる30分ほどの動画です。
みなさんも一緒にお看経してみませんか?
〇「常に照らさん常照寺」 YouTube公開
先住・井上日宇御導師が作詞をされました
「常に照らさん常照寺」をYouTubeで公開しました。
〇本堂の左前、お塔婆の前に線香台を設けました。お塔婆を建立された方は、ぜひ、本堂でもお線香をあげてください。
本門佛立宗 常照寺
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