R5年2月の俳句:短歌:川柳 投稿壇  

※ 一月末は雪とその凍結に追われ大変でしたね。また、こうして皆さんの俳句に接し、ご一緒に俳句する

 歓びに浸っています。兎に角、基本を確りと身に付けて前進していきましょうね。

                                         片桐基城

 

俳句 青木幸子(事務局職員)

◎【凛として逆光に映え冬木立】

【寸評】

枯果てながらも逆光に映え渡っている、と云う物事を良く視ての触発に優れています。それを如何に具象するのかが、俳句

 の決め手なのです、使用している語も全て良いのですが、構成が甘かったですね。「凛としている」のは冬木立だから、

 ちょっと後ろにして、「映え」を助動詞「たり」の連用形「たる」を使います。文法の事は兎も角、これで冬の木立が

 主体のいい句になります。

☆添削 「逆光に凛と映えたる冬木立」

 

◎【芝の上白球を追い空冴ゆる】

【寸評】

先月も「白球」の句を詠われました事覚えています。この白球は、ゴルフボールですね。ゴルフを遣られているのです

 ね。結構な事です。私も現役時代には楽しみました。ゴルフは健康的です。打ち終えたボールを眼で追った時の空が冴え

 冴えとしていたのですから、芝は省略。

☆添削 「打ち終えた球追う空の冴にけり」 或いは、「打ちし球追う天界の冴にけり」

 

俳句 渡辺孝之(江曽島教区2部)

◎【春塵に押され山門くぐり抜け】

【寸評】

●風の強い春には埃が立ち易いものです。その風を利用するでもなく山門を潜ったのですね。季語「春塵」を巧みに利用し

 た句で。ちょっと工夫すればいい句になります。先ず、中七ですが「・・・に押され」の後に助動詞「て」を加えます。

 そうしますと、説明調として嫌われる文体ですが上の句には必要でしょう。そして、寺院で云う「山門」ですが、其処は

 想像の世界にして「山」を省略し「門を」で佳い句になります。付け加えますと、下五「潜り」と漢字にせず仮名書きに

 した事で、春の塵が舞う事を云う「霾る(つちふる)」の景が出ています。然し、門を潜り抜けるまでとまで言わないで

 「潜りけり」と潔く言ったほうがいいですね。敢えて、そう言いたいのなら「抜く」です。

☆添削 「春塵に押されて門をくぐりけり

 

◎【蠟梅や香り楽しや遊歩道】

【寸評】

●俳句は中七で決まると云います様に、具象は中七が命です。掲句は残念ですが、その中七を考え直しましょう。

 先ず、俳句に「哀しい」「楽しい」の形容詞をなるべく使わない事です。掲句で言い換えますと、「楽しい」と言わない

 で、楽しさを言い表さねばならないのです。言うのは簡単ですが難しいです。他の事を言って楽しさを出せばいいのです

 がね。また、「や」切りを止めて一句一章にした方が綺麗に伝わります。

☆添削 「蠟梅のかをりと歩く遊歩道」

 

◎【春驟雨吾子の下校の空見上げ】春驟雨(はるしゅうう)

【寸評】

●雨脚の強い春の時雨が降ってきたのですね。そろそろ下校の時間なのに、と心配している親御さんの子待ちを詠った句で

 良く解る句ですが、中七から下五に掛けて散文的で詩情が薄いですね。そこで此処は思い切って句の構成を変えて見ま

 す。

☆添削「下校時の空を懸念な春驟雨」

 

 

川柳 福田時子(江曽島教区2部)

◎【其処ここに顔を出したよ蕗の薹籠いっぱいに春の贈り物】

【寸評】

●いいですね。あちらこちらに見る蕗の薹に感激したその心が強く表れた歌です。その歓びがす~っと胸に入ってきます。

 上五の「・・・顔をだしたよ」の終助詞「よ」が感嘆を強めているからでしょう。残念なのは、蕗の薹は春の花茎ですか

 ら「春の」は要らないと思います。其処を省略して考えれば、終わりの七文字を敢えて八文字にしなくても済みますね。

☆添削 「其処ここに顔を出したよ蕗の薹籠いっぱいになる贈り物」

 余計な事ですが上の短歌は、季語の「蕗の薹」がありますから簡単に俳句になります。

例えば「蕗の薹籠いっぱいの贈り物」で、上の14文字が無くても、そんなに採れたと云う事は「あっちこっちに有った

のだな」と解ります。

 

◎【歳重ほろ苦き味楽しみて香り豊かな春の恵みに】 

【寸評】

●この歌も俳句的ですね。「ほろ苦い」味って何だろう・・・と想像が広がります。私は蕗の薹の味を思い当たりますし、

 上の籠いっぱい採ってきた後の味わっている歌ですね。短歌の事は良く解りませんが、簡易に情を訴えてこそ歌になる

 のでしょう。

☆添削 「ほろ苦き味や香りを楽しめる恵み豊かな歳になりけり」

 

※ 片桐基城(後記)

今回は鑑賞文が長すぎて「寸評」とは言えませんが、俳句の基本を完全にマスターして頂く事を願っています。

皆さんが必ず通ってきた道ですし、私もご一緒に勉強をふかめていきますので頑張りましょうね。 

 

人生訓  岡田三枝子(城東教区3部)

◎【人は豊かに健やかに生きたい】

 

◎【人は和やかに良く生きたい】

 

◎【人は今何をすべきか、何が出来るか】

 

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